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05.12.07 水曜日

チャンス

夜12時を過ぎて実家に還ってきた。

明朝、父親が手術をするというのだ。

 
母親の多苗和子に車で迎えに来てもらう。

己はマンションで育った。

そこには歳の近い連中がいて、彼らが地元の友達といえる。

クラスが違ったり学校が違ったりしたにせよ幼稚園の時から知っているので兄弟みたいなもんだ。

よく家族同士、飯を食ったし、
大晦日は酒が入って親の監視が甘くなるので大イベントだった。

彼ら今は全然会わない。

一年に一回会おうというのもない。

己は一人っ子だから知ったかぶりをするが、「兄弟だから無関心」ってのがあるじゃない。

弟がどのクラスなのか兄が誰と仲いいのかよく知らない。みたいな。

もう全然会わないけど、まぁ、変わらずやってんでしょ?という心地よい無関心。

もう全然会わないけど、会ったら昔通り、腹割って話せる。

そんな疑似兄弟が6人いる。

 
 
己はエレベーターを待っていた。

己が多苗和子に車で運んでもらった時はいつもそう。

うちは2階なのだが、階段を使わない。

己が先に車を降りて、彼女が駐車場から歩いてくるとエレベーターがちょうどいいから。

エレベーターが1階にあるときはそのままそれに乗って己は1人で家の玄関までいく。

他階にある時は降りてくるのを待ってると、ちょうど母親がやってくるのだ。

それが習慣で、一年離れてもこのエレベーターホールに来れば己の体はそれにならってしまう。
 

今日はエレベーターが5階で止まっていた。

ボタンを押してうしろを振り返るとマンション居住者のメールボックスがある。

7(号室)×5(階)の銀色のメールボックス。

名札をみてそれぞれの現在に思いを馳せる。

学はまだCM制作やってるのか。

洋ちゃんはどこにいんだ?まだ日野か?

マルスは北海道で自衛隊。三児の父だ。

智は郵便局か…。

毅は沖縄か…。

昔はチャイムを押さずにいきなり彼らの家のドアを開けてズカズカ入ったものだ。

しかし、今日はさすがに平日の夜12時を過ぎているのでそんなことはしない。

というより、そもそも前述のようにみんな散らばっていないだろう。

そんなことを考えながらエレベーターを待っていたら丸山晶太郎が現れた。

「お!なに、どうしたの?」

「ひさしぶりだねぇ。」

にやにやと対面する。

しょうちゃん。

己の一個上。

己には、義兄とか師匠とかそういう上系は存在しないが、もしかしたら兄貴感に一番近い倭。

こう言ったら「後出し」になるが、なんか会うんじゃないかって思ってたんだよね。

こちとら一年以上還ってきてなかった。

エレベーターが一階にあったらすぐ還っていただろう。

しょうちゃんもたまたま車で乗る高速道を一本間違えたためにこの時間になったらしい。

エレベーターが5階から降りてくる時間分のチャンス。

投稿者 多苗尚志 : 2005年12月 7日 17:33編集
[ 丸山晶太郎伝 ]

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